平成14年5月13日。
 
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数年間、かえるの心を捉えて放さないお菓子があるのです。

それは、たった数種類の材料で作るお菓子なのですが、
焼き色が上手く出来ると形が良くいかず、味が上手に出来ると膨らまず、
味も形も上手に出来ると、下がこげる・・・と言った具合にいまいち十八番にならない
お菓子なのです。

どの本を見ても配合が違うこのお菓子、1つの本のレシピをマスターすると、
他の本のレシピは絶望なまでに失敗してしまうという、
かえるにとってなかなか興味深いものなのです。

お菓子1つ、しかも本当に数種類、小麦粉・ベーキングパウダー・砂糖・塩・バター・牛乳
だけの組み合わせ、配合のバランスだけなのにも関わらず、
しっとりからさくさくはらはらな感触を作る事が出来、なおかつほんのちょっとの失敗
バターをきちんと冷やさなかった、小麦粉をきちんとふるわなかった、材料のグラムを間違えた
だけで、上手に形が形成されない、溶けてしまう、焼き上がりがさっくりしない・・
というあんまり出来あがりが綺麗では無くなってしまうのです。

お菓子であるのにも、ちょっとした事で上手にも、失敗作にもなってしまう。

だとしたら、本人の気持ち・それまでの歴史・周りの環境という
細分化できるものから出来ている「幸せ」なんて、本当にちょっとした事で
幸せになりえますし、不幸せにもなれるのではないのだろうか?
とかえるはちょっと思うのです。

形になるものは、結果がわりとぜんぶですが、
心が感じる「幸せ」というものは、その人の気持ちというものがとても重要になるのでは
ないでしょうか?
と、ふわふわと取りとめも無い事を考えつつ、
しっとりさくさくな心が出来るといいなぁと、かえるは今年もお菓子の研究です

味も良く、なおかつ綺麗な形のお菓子を焼くのは、本当に難しいのです。
きっと心はもっと難しいのに違いありません。

けれども、心はいくらでも変えられると、かえるは思うのです。
 
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