平成16年5月26日。
 
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ごそごそと探し物をしていたら、ずいぶん前に書いた文章の切れ端が出てきました。
ちょっと「日記」というものを考えるのに使った文章なのですが、
たまにはこう言う視点から物事かんがえると良いなぁと思ったかえるです。
こんばんは。


web上に日記を書くということは、通常の日記(自分だけの秘密日記)
と違って、「読み手」というものを想定されているとされていますが、
かえる、時々、「それは違うのでは?」と思う事があります。

「メールが来ると違和感」
「共感されると、嬉しいけど怖い」
「返事を出さないといけないの?」

というような、微妙な会話を耳にしたり、
思ってしまったりする事があったからです。

かといっても、「読み手」が必要ない日記であるならば、
web上に日記を書く必要も、リンクでそれを繋げる必要もありません。

にも関わらず、web上で日記を書き、それをリンクでつなげるのか?
かえるには、3種類の理由があるからだと思っています。


1つは、日記は厳密には「一人のもの」ではないという事。

色々な本を読んでいると、「web日記は日記ではない」と書いてあり、
その理由として、「日記は一人のもの(本人だけのもの)である」としてありますが、
もし、本当に「一人のもの」であるのであれば、日記は書いてはいけないものなのです。
何故なら、「書く」という事自体が「誰かに読んでもらう」という仮定のもと
書かれてしまうものだからです。

「読み手」を想像して、日記を書く。
例え、その「読み手」が自分自身であっても、
それは「読み手」である以上、一人のものではないのです。

…なんとなく、逆説的かつ勝手な意見ですが。
(資料論文等もありますが、今回は無視ってます)


2つ目。
web日記は、ある意味「読み手」を欲していないと言う事。

read meに参加していたとしても、
webringに参加していたとしても、
本当に欲している「読み手」というものは、「自分自身」と「社会」
というものの象徴である、「自分ではない自分」だと、かえるは思っています。

自分自身だけの共感ではない日記。
ある程度の社会的共感がある日記。
そして、読んでもらえる日記。

これを目指そうとすると、ある程度「読み手」のことを考えて文章を考える必要が
出てきます。

読み手の知識の前提条件。
読み手が読みたい文章の提示。
読み手にいかに共感してもらうか?の技術と実践。

けれども、本来「書きたい」事は、「自分自身が書きたい」と選択した事ですし、
厳密にいうのであれば、「自分の書きたい」ものを「読み手」に合わせて
取捨選択、加工したものがweb日記と言えるものではないでしょうか?

一番の読者は自分自身。
けれども、本当の自分自身ではダメで、
もう一人の自分自身=社会にあった自分という象徴=読み手
となっている気がかえるにはします。


そして、3つ目。
だからこそ、web日記でコミュニケーションをする事。

大概のweb日記を書いている人たちが言われる事は、
「サイトをやっていない人たちは怖い」
=誰だか分からないから会いたくない。
といわれたりします。

これは、web日記の管理人さんは、
互いに「日記を読みあっており」「秘密を共有している」と
思っているからこそ、オフラインで会うのであり、
また、「互いに秘密を握っている」と思うからこそ、
平均以上に互いに大して親密度があるのではないか?とかえるは仮定しています。


1、2、3の理由をまとめると、
web日記を書いている管理人さんは、
1、日記を書くことで、告白、懺悔、内省をしつつも、聞いてくれる人を捜している。

2、しかし、本当に「聞いて欲しく、許して欲しい」のは自分の中にいる「社会的に
  正しい自分」であり、日記を読んでもらうために読み手への配慮はしているが、
  読み手に必要以上の人間性を感じたくない。
  (何故なら、自分に読んでもらい許してもらいたいのであって、他者に読まれ、
   許されたくないからである)

3、にもかかわらず、web日記という性質上「他者の日記」というものも読む事が出来る。
  =自分の日記も他者に読まれる。
  その為に、本来なら「誰にも秘密ね」と言って読ませていた日記を、
  程度の違いはあるが「勝手に読まれた」という意識が生まれたり、
  「読んだ感想はどうだろう?=許してくれるだろうか?」といった邪推が生まれたりする。
  だからこそ、そのような管理人たちは集団で(読み手ROM)を排除した場所で、
  互いに「秘密を握り合っている」人同士、「互いに敵意をもっていませんし、読んだ結果
  貴方に悪意を持ったりしませんでしたよ=許してますよ」という事を
  行っているのでは?

と仮説を立ててみました。

…。
もちろん、違う意味でweb日記を管理されている方もいらっしゃるでしょうが、
そういう一面も担っているのではないかなぁ?と読み返してた今日1日。

人はどうして日記などかくのでしょうか。
      
 
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