平成19年1月19日。
 
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「欲が出てきたときにこそ真価が問われるものなんだ」と語られ育ってきたものの、
可愛らしいものが出てくると、真価が問われようがなんのその。
思わず強奪をしそうになるのだけを我慢するかえるです。
可愛いは、ずるい。

「何でこんなことになったんだ…。」
彼が口がきけたなら必ずそういったであろう、そんな顔。

本来ならすらりとした豆の形の体に至っては、限界まで引き伸ばされたのち、
綺麗に長方形に形成されたかのような姿に変わっていたテディベア。
久しぶりに目があったベアは、そんな素敵な姿をしておりました。

大好きなテディベア作家の個展に行き、ポストカードで我慢しようとしていた終了間際、
壁にぺろんとかかっていたその子に、かえる一気に一目ぼれをしてしまいました。




こんなの。


呆然とした顔、ハンプティダンプティのようなピヨピヨとした手足。
携帯入れというという事で、こんな姿に成り果ててしまっていたベアだったのですが、
どうみてもクマというよりは、厚揚げに顔手足が生えたようにしか見えません。
丁度、こんがりキツネ色の風貌もあってか、かえるには完全に厚揚げにしか見えなくなりました。

ここまで来たら、我慢など出来るわけも無く里子に戴き、
大喜びで携帯を入れながら帰宅していたのですが、なんとなくすわりが悪い気がしてたまりません。

どうにかならないかと鞄生活の危機を迎えていたのですが、色々と試してみた結果、
音楽再生機各種を入れておくのに非常に便利であることが分かりました。

厚揚げは普段の鞄に丁度いい大きさの入れ物として快適に使わせていただいていたのですが、
休みの日用の小さい鞄には長さ的に合いません。
でも、音楽は外出の時には必須アイテムです、これでは困ります。

などと、小さく途方にくれていたかえるなのですが、
よくよく考えてみれば、小さい鞄用に作ってしまえば良いだけの話です。

流石に似せたベアだと、作家の方にも厚揚げにも大層しつれいなので、
ここはそれ、版権と人権を考える必要の無いかえるに被害に遭ってもらえばよいのです。

外布はいつものきゅわきゅわ緑の布。
裏布は同じ緑つながりの金平糖柄の和布。
すぐに縫えるわけではないので、いっそおたまじゃくし柄のものを探すの手かもしれません。




布だけそろえた予想図。

これから暇を見つけては型紙を落としたり、こっそりミシンでサボったりと
半月ぐらいで出来そうな勢いの、かえる袋。

これを機にかえるタグを作り直そうかと思うぐらい、楽しくてたまらない一時でした。

外布と違って、自分ぐらいしか分からない裏布あわせ。
地味でも、無くても、出来上がりに重要な意味は持たないかもしれませんが、
使うたびに、自分だけがちらりと見られる一部分というのは、
凝れば凝るだけ、愛着が沸くものなのです。


おたまじゃくし柄の手ぬぐいや布、無いものかなぁ。
      
 
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