11月3週。
寒さには勝てません。
毎年寒くなっていくたびに、生地を厚くしては毎日しのいでおりますが、
それでもひゅるりと入ってくるのが冬の冷たさというものです。
ある程度歩き続けた後や、食事した後の血行の良い時ならば話は別ですが、
朝の外出第一歩や、温室のように温かな電車から出た直後のあの冷たさに直面すると、
どうしても、「このまま冬眠してみたい」との気持ちに襲われます。
端的に申し上げるのであれば、
「お願い、寒さから逃れるか、冬眠するか。どちらかを下さい!神様!」
という奴です。
人間の構造と社会所属の都合上、冬眠することは毎年諦めざるをえない為、
今年も寒さをしのぐ何かを探す事となっておりました。
とはいえ、冬に寒くなるのは毎年の事ですし、寒さに弱音をはくのも毎年の事です。
考えうる防寒対策は対応済みですが、寒いものは寒いのです。
季節なので当たり前なのですが、毎年寒い。多分、毎年ますます寒い。どうしよう。
などとぼやきつつも防寒具の点検をしていたところ、重大な事実に気付きました。
現在防寒具レギュラー入りしている彼ら全てがほぼ5年以上選手です。
今、念のために「クリーニング事故賠償基準」から各防寒具の減価償却年数を調べてきましたが、
短くて2年、長いものでも5年でした。
減価償却率的には後進が育っている時期にも関わらず、未だ現役の防寒具達。
確かによくよく観察すると、毛が抜けてしまっていたり薄くなっている所もありました。
なんとなく10年ぐらい使えると思っていましたが、現実的には違うようです。
よし、新調しよう。
そんな訳で町に出て、色々見て回ってきたのですが、これがもう可愛らしくてたまりません。
ふわふわでやわらかで、手触りがよい上に軽い上にプレセール開始。
好条件が重なった上に、店員さんだって上手です。
「定番商品だから、長く使えますよ」
「10年だって使えちゃいます」
買い手の罪悪感をどんどんと減らしていく素敵合いの手に、うっかり購入かと思った時、
かえるの脳内にて理性担当のおたまじゃくしが言いました。
「減価償却率的には3年で割って計算してください。積立金の考慮もお願いします」
「10年後の年齢と想像できる外見を考慮の上で購入をお願いいたします。」
理性は無常でした。
けれども、寒さはもっと現実的でした。
ここで理性の声に負けるのは簡単ですが、風邪を引いた後の費用と機会損失を天秤にかけた場合、
どう考えても理性に打ち勝った方がよさそうです。
世の中冷静に考えたことが常に正解とは限りません。
だって、寒いんです。今買ったらこのままぬくぬくと帰宅できるんです。これください。
おかげさまで、先週からぬくぬくと生きておりますが大変ぬくくてたまりません。
風邪引いて震える事も無く、機会損失も無い毎日。
防寒具一つの新調程度でこんなに変わる物なのか?とも思いますが、
季節が変わるおりには、現実の見直しなども、一つ考慮に入れるべきである。
今年学習しはじめたのは、割合当たり前の現実でした。
ぬくーい!
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