2月2週。
死んでばかりでは、いられません。
死んでしまいたい程の衝撃、というものを良く耳にします。
大体が、切実なまでの要望が叶わなかったり、目的が居なくなったり、
永遠に手に入らなくなった時なんぞに、口にすることが多いものです。
衝撃に弱いかえるなんて、しょっちゅう死にかけております。
けれども、人間、死にっぱなしでも問題がないのは、事実、死んだ時だけです。
後はどうにかこうにか、生き返る必要があります。
前回のバレンタイン以降、チョコレートのあの口どけ、香り、余韻から成る甘い甘い思い出を反芻しては、
独り静かに延命処置を施していたのに、今年は手に入らないらしいチョコレート。
あまりの衝撃に、「神は死んだ!」とバレンタインを中止にしようとも思いました。
しかし、神は本人が耐えられるだけの試練を与えます。
チョコレートが販売されない程度のぬるい人間には、ちゃんとチョコレートを与えてくださります。
ネット販売はありませんでしたが、店頭販売はされていたのです。
「神よ、慈悲深き貴方の愛を疑いました。この哀れなかえるを許したまえ。」
うっかり神様殺しかけましたが、やはり、世の中には神様はいらっしゃいました。
信じると救われる事もある。
神様、やっぱり大切です。
ということで、買ってきました。
来年への備忘録と、ただひたすらの愛だけで書きつづっております。
長いです。
食べたもの
1枚目:Mazet(マゼ) ロックフォール
アーモンドのキャラメゼが得意を通り越して、アイデンティティでは?と確信するほど、
常に何かをキャラメゼしておりますし、いつも大変美味しいものでした。
しかし、今回のキャラメゼは今までとは一味も二味も違います。
甘いものがかかっているイメージで食べると、混乱すること必至です。
キャラメゼした上に、更にローックフォール(青カビ)かかってました。
甘さの後から、青カビとチーズが襲ってくる感じです。
びっくりです。
食べる前に、ちゃんと確認するべき名称でした。
2枚目:Philippe BEL(フィリップ・ベル) キャラメル・セミリキッドショコラアソート。
定番です。
始めて齧った3年前から、とろりと溶けだすキャラメルに心惹かれてなりません。
キャラメル・パッション・ゆず・バナナとありますが、
どれもこれも、とろーりとするキャラメルと残り香は幸せのひと時です。
定番にも関わらず、革命です。
3枚目:Giovanni Galli(ジョバンニ・ガッリ) マロングラッセ&マロンショコラ
ここら辺になると、チョコレートなのか栗製品なのかよくわかりませんが、
マロングラッセの有名店が、栗の美味しさを全面的に出しながらチョコレート業界に
殴り込みをかけた形のチョコレートです。
マロングラッセ、マロングラッセにチョコレートかけちゃった奴、
マロングラッセをペーストにしてからチョコレートかけた奴、マロン焼いた奴にチョコレートかけてみた奴。
と、食べてみても、チョコレートなのかマロンなのかよくわからない状態です。
ただわかるのは、「この栗作るの、すっごく大変なんだろうなぁ」という贅沢さ。
栗山を整備し、収穫し、形の良い物だけをひたすら剥いて、シロップに漬け続けても崩れなかった、
奇跡のような栗で作られたマロングラッセと、更に手間暇かかったチョコレート達。
ここまでのし上がれなかった栗は、一体どこに消えたのだろうか?と、
栗の物悲しさすら考えてしまうマロングラッセでした。
贅沢!
4枚目:セクション・ラ・マジ(15個入り)
箱を映せばよいのか、チョコレートがずらりと並んだ姿を映せばよいのか、
それとも工夫を凝らしすぎてびっくりした飛び出す絵本を映せばよいのか?
大変に悩みましたが、きっとそこら辺はチョコレート専門ブログの担当です。
こちらはただただ、美味しかった事だけを語るのみです。
15店舗からお勧めチョコレートを1つづつ募ってセットされているチョコレートボックス。
本当に一つ一つ、考え方も哲学も愛の込め方も違うチョコレートばかりでした。
はじけたいチョコレートなら、口の中に全力で綿パチキャンディーを仕込ませ、
アールグレーティーを表現したいのなら、ジュレにもガナッシュにも入れた方放題入ってました。
キャラメルなんて仕込みたい!と思われた日には、キャラメルと相性の良い蜂蜜を限界まで濃厚にし、
それを表現するために、限界までチョコレートコーティングを薄くしておりました。
つまり、何かを表現するためには、全力で表現したいものを突き詰めた挙句、
表現しない部分を限界まで存在感を減らす作業が必要そうです。
そんなのが15店舗、自信満々で展開。
なんかもう、すっごかった。
個人的には、ユーゴ&ヴィクトールのスフェール・ミエール の蜂蜜入りキャラメル(チョコ)が
大変な美味しさでした。
来年は単体で買います。
5枚目:オリジン・フランス(10個入り)
こちらも、食べた人に「ほーら、僕たちの考えたチョコレートは凄いだろう!」と
一口でノックアウトさせてやろうと、全力傾けた挙句にチョコレートの枠をはみ出しすぎのチョコレートでした。
日本の「この口どけ、香り、バランスのなんと素晴らしき事!」というのではなく、
「これが好きです!とどけこの愛!そちらの好みなんぞ知らん!これが好きなの!」一殴必殺でやってきます。
美味しいのです。
が、しかし、何もここまで突き抜けなくても良いじゃないか。
これ作ったショコラティエ、多分すっごい濃い人たちだ…。
等、感動すればよいのか、感心すればいいのか、その生き方良いなぁと思えばいいのか、
よくわからない衝撃でした。
個人的にはキャラメルとリンゴを偏愛しているので、
フランク・ケストナーのトンドルタタン(アップルパイっぽいタタン風ガナッシュ)と、
バスカル・ル・ガックの塩キャラメルのガナッシュ(塩キャラメルで殴ります)と、
アルノー・ラエールのルシヨン(アプリコットガナッシュが酸っぱいの酸っぱくないのともう凄い)
が、美味しゅうございました。
極楽浄土です。
6枚目:HENRI LE ROUX(アンリ・ルルー) のキャラメル
噛みしめるキャラメルではありません。
口の中に入れておくと、じわじわつるつると消えていく。
そんな不思議なキャラメルです。
気付くと、入れ物から消え去っておりましたので、
自戒を込めて、殻だけ写真を撮りました。
どんな世界であれ、第一人者の作る物は次元を超えた素晴らしさです。
すっごかった。
食べてない。
4枚目:Bernachon(ベルナシオン) タブレットクレオール
外見上は板チョコですが、もちろんただの板チョコでもありません。
中にみっちりとラム酒が入っている板チョコだそうです。
セロファンがみっちり貼ってあっても、じわりじわりとにじみ出るラム酒の香り。
このチョコレートさえあれば、気付けとして大活躍してくれそうです。
主に、見るだけで興奮します。
5枚目:Is..(イズ) ラム酒ボンボン
箱の美しさもさることながら、中身はラム酒ボンボン。
齧ると、とろーりではなく、びしゃーっと出るタイプのボンボンらしく、
期待がウナギ登りのチョコレートです。
運悪く、運搬中に割れたりしないだろうか?とはらはらしておりましたが、
ラム酒の香りがしてこないあたり、今のところは大丈夫そうです。
6枚目:JEAN‐CHARLES ROCHOUX(ジャン=シャルル・ロシュー) ショコラ・アソート イチゴ&レモン
包装紙には包まれておりません。
この写真の通りの鮮やかな赤と黄色のチョコレート。
それにもかかわらず、食べるとフルーツ、バジルの味がするとのこと。
バジルはフルーツなのか?そもそもチョコレートはどこに行ったのか?
苺とレモンの姿はフェイクなのか?
チョコレートなのか、チョコレートのふりをした新しい食べ物なのか?
大変悩ましい存在です。
また、来年に向けて、月々のバレンタイン積立貯金がはじまります。
ハッピーチョコレートデー!
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