平成14年7月31日。
 
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久しぶりのデート。
本当に楽しみにしていたのです。

予定より早く起きてお風呂に入って、どうしても一人では綺麗に塗れないから、
ずっとずっと早く目的地に行って、ネイル屋さんで爪を綺麗にしてもらって。

キツイ色は嫌いって言っていたから、淡い淡い桜貝色のネイルで。
白が好きって言っていたから、苦手だけど白いワンピースを着て。
暑いけど、髪をくるくるにしてみて。
ちっちゃいバックがその服に似合うねって言ったから、荷物を大幅に減らして。

……けど、すっぽかすってどういうわけ?

と、言う女の子らしい、女の子独自の論法で作り上げられたお話(愚痴)を、
かえるの目の前で、かえるの爪を削って下さっているお姉さんが、
何かの65分一本勝負のように、お話してくださいました。

今日。

本日、かえるがデートをする直前、やっぱりかえるは1匹では綺麗に塗れないので、
待ち合わせよりも早く目的に行って、爪を削ってくださいなと言ったのを知った瞬間から
一応お客だった記憶のあるかえるに、いきなり一本勝負のお話。

とどめに、かえるの着ているお洋服に合わせて、淡い淡い桜貝色を塗ってくださりまして…。

待ち合わせに20分遅れた子と、お茶と洒落込んだ時に「その事」を申し上げますと、
その方はそれはそれは死ぬ程笑ってくださいまして…。

かえるの事実を笑われたのなら、それでも良いかなぁと思ったのですが、
そのお姉さんの事を笑われたのであれば、申し訳ないなぁと思いながらのお茶の時間。

ちょっとだけすねながら爪を削っていたお姉さんと、いつもの綺麗なお姉さん。
大事な人と会えるお約束をしてから、女の子は一生懸命綺麗になろうと努力を重ねるのに、
最後の最後で、駄目だよって言われたら、やっぱり可愛くなくなってしまうのだろうなぁと。
ちょっとふくれっつらのまま、「また来てねー」っと言われたかえるは思うのです。

綺麗にしたら、やっぱり綺麗と言われたいし、もっと言われたいからこそ
小さい綺麗を重ねるだろうとかえるは思うのです。

かえるは、ちゃんとかえるの爪が綺麗だと褒めていただいて、ほくほくさんなのです。
が、こうして、常に綺麗にしないと「どうしたの?」と聞かれるかえるの「爪人生」のはじまりです。
後戻りだけ、出来なくなっていくのです。
綺麗きれいの道は果てしなく遠いのです。
      
 
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