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しゃこしゃこと必死でお茶碗の中身を引っ掻き回し、
にもかかわらず、なかなか泡立たず途方に暮れる。
その中で必死こいて泡立てていても、まったく泡立たず、
気持ち的には「洗剤入れたら泡立つかなぁ…。」
とめそめそしながら、お茶作法についてレクチャーされていたかえるです。
こんばんは。
袱紗すらまともに畳む事の出来ない生徒に、笑みを一度も絶やさなかった先生が、
本日の授業2時間過ぎあたりで、唐突に突拍子も無い事を言われました。
お茶を点てるという事が、何よりも大好きなお茶の先生。
毎回毎回授業で「ふくさのたたみ方」というものを教えているのは、
どうやら飽きてしまったご様子なのです。
という事で、必死になって畳んでいるかえる達に向かって一言、
これ以上なくどうしてよいか分からない事を言い放たれました。
「どのくらいの粉に、どのくらいのお湯を注いで引っ掻き回したら、
どの位の味になるでしょー?」
…。
唐突に配られるお抹茶の粉。
一体どのくらいの粉を入れればよいか皆目見当がつかず、
途方に暮れながら適当に粉を入れる生徒。
「3口半で飲み終わるくらいに入れてねー。」
と物凄くにこにこしながら、醜態を見守る先生。
という事で、この授業をとった生徒全員が真っ青な顔をしながら
しゃこしゃこしゃこしゃこしゃこ…とお抹茶を点てる羽目に相成りました。
ちなみに、この段階で一回のお茶碗に入れてよいのは、
茶さじ2杯弱のお抹茶と、お湯、100CC程度。
全員、その事実を知らずにお茶を点てていました。
「じゃぁ、点ててみたら飲んでみましょうー。」
目の前には、自分で点てたお茶。
けれども、果たして美味しいかどうかはまったく分かりません。
どちらかと言うと、美味しくなさそうで仕方がありません。
が、飲まない事には先生の機嫌が悪くなりそうです。
無理矢理飲んでみました。
…。
……。
にが。
全員が静かに、けれども嫌ーな顔をして飲み終わると、
先生はころころとそれはそれは嬉しそうに笑われると、
先ほどより衝撃的な事を言われました。
「美味しくなかったら、美味しいと思うバランスが出来てくるまで点て続けてくださいねー。」
…。
………え?
唐突ですが、お抹茶はそんなに何杯も飲むものでは無いとかえるは思っています。
第一、普段はお菓子を食べた後に甘さが口の中に残っている間にお抹茶を戴くのが定石です。
…。
お菓子も貰えず、ふくさのたたみ方しかまだ教えてもらえず、
にも関わらず、美味しいと思うまでひたすら点て続けなくてはいけない状況。
「美味しくなったら、帰ってよいですよー。」
…。
どうやら、美味しいバランスが分かるまでは帰ってもいけない状況。
…。
毎回毎回静かに展開するお茶の授業ですが、
今回ほど静かに、そして鬼気迫る勢いでお茶を点てたのははじめてです。
かえる的には、2杯目終了あたりで胃が痛くなり、
3杯目終了には、「甘い物…。」と真剣に考えるほどの苦さがお抹茶にはあると思います。
…。
「わびさび」なんかより、理科の実験のようなお茶の授業。
授業が終わった瞬間に、何でこの授業が人気が無いのか良く分かりました。
良い先生ですが、色んな意味でテンションが高すぎです。
胃が…。
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