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同じ場所、同じ匂い、同じ感触であるはずなのに、何となく違うと感じる。
その違和感というものに妙にかりかりとして、眠れなくなる。
夜明けまでの数時間。
ひらすら、罪悪感と過去の出来事を思い出しては自嘲する。
そんな時間の話を1日聞いていたかえるです。
こんばんは。
「心がおかしくなる前は、必ず睡眠時間が崩れていく」
そういう言葉を、本で読んだことがあります。
確かに、心が悲しかったり苦しくなったりした時には、
どんなに体が疲れていても眠れなくなりがちです。
「明日は早起きしなくては!!」と思っていたとしても、
体はぐったりとして、眠りを欲していたとしても、
それでも眠れないという恐怖感と自己に対する嫌悪感。
それは、とてもとても切ないものだとかえるは思います。
そして、そんな「夜明けまでの数時間」
どうせなら、とっても非生産的な贅沢をしてしまうのは?
とかえるは思うのです。
かえるも月に2−3日は、どんなに疲れていても眠れない夜というものがあります。
最初は「この隙に日記を!!」とか「ちょっとお勉強してみよう!!」とか、
少しでも生産的なことをしようと頑張ってみたのですが、
何故か全然物事が進みません。
どうやら、頭の動きが止まってしまっているみたいなのです。
「やろう!!」と思っても、気持ちがそっちに向かない。
その事実を思うと、余計気持ちが凹んでしまう。
そうして、どんどん「自分はいらない人間」と思ってしまう。
どうせ朝まで眠れないという、急にぽっかり出来た数時間であるなら、
思い切り悪い人になるのは?とかえるは思ってしまったのです。
普段食べないようにとこっそり取り分けてあるアイスを食べる。
お茶も贅沢にたっぷり飲んでみる。
お砂糖はふんだんに。
夜中までやっているお店に行ってみて、「夜中まで起きている悪い人は自分だけではない」
と無駄に自信をつけてみる。
特別会計と割り切って、ネイルケアをオーダーしてみる。
たっぷり疲れた日。
眠れなくなるくらい、心配事を抱えてしまっている夜。
そんな気持ちに襲われるぐらい、自分を酷使してしまったのですから、
一晩ぐらい「自分贅沢」にどっぷり浸かってよいと、かえるは思うのです。
…次の日の体重増加さえ目をつぶれば、ちょっとだけ幸せになれると、
かえるは思います。
夜中のチョコレートエクレアほど、美味しいお菓子は無いものです。
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