平成16年5月27日。
 
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昨日から、かちかちと「心理学的なインターネット」というものを
調べたりひっくり返したりしているかえるです。
こんばんは。

心理学的側面からみたインターネットというものを考えるのに、
丁度良いと内々で言われている本があります。

インターネットというものを、色々な角度から心理的に分析した本なのですが、
これがとてつもなく「手に入れにくい」本でした。
あんまり手に入らないので、今度は古本屋さんにトライしたいくらい…。
と、必死で探してようやく読めた本なのです。

メディアサイコロジ−−メディア時代の心理学 第四章 P129−P155

・ネットというメディアは、「しかける」分野であり、
 人がかかってくる(興味を持つか否か)というところまでは、責任が無い
 =責任を持ちようが無いという、魚釣りみたいな分野であるという事。

・ネットというメディアは「実践」が大切であるという事。
 =実際にやってみないで、「あーだこーだ」と言っても仕方が無い。
  とにかく、実際にやってみてから言ったほうが良いという事。

・ネットは現時点では新しいメディアである。
 =ネットに対して、色々な意見がある。
  「ネットは私たちの思考、行動を変える」という「強いメディア」意見と、
  「ネットは速度や費用にしか影響しない(心理的影響はない)」という「弱いメディア」
   というものがある。

・では、実際に「ネット」を使っている人は、それをどのようにみているのか?
 =それを調べる事が一番確実では?とされていること。

簡単に言えば、
『メディアはしかけ、人はしかけられて行動するが、しかし、メディアは
 人間の行動を決定するわけではなく、人間は利用するメディアから完全に自由ではない』
という事(P130,L14-16)とまとめられている。

言い換えると、
「ネットは、人の思考や行動を完全に変えるほど強い影響力は無いが、
 しかし、完全に影響を与えられないほど弱くも無い。」
と言うこととなる。

これに、「目新しさ」「時間」「それにかける根性」とかを更に加味すると、
影響をあたえる強さ、弱さ等が更にはかれるのでは?
とちょろりと思ってみました。

ネットを使い慣れている人と、使い慣れていない人を比べれば、
「それ」に対する感情というものは違うわけですし、
それは、MLやBBSはてはe-mailの利用方法まで違ってきます。

情報を流す事=良い事 であるのか? 価値ある情報を送る=良い事であるのか?
と言うことはまた別の尺度であると考えられしまうからです。

けれども、これら(強いメディア・弱いメディア・価値観の相違)を踏まえた上でも、
ネットというメディアは「平等」「建設的意見」というものを出しやすいという、
人格や考えだけを中心としたモノを見出すことができます
顔が見えないと言った事や、意見提案までに時間を取れるといった利点は、
この1点に集中しているのではないか?

しかし反面、「顔が見えない」→他者理解の情報の欠如・意見の向うに人があるという認識
「建設的意見」→極論的意見の提示 意見否定が人格否定となりやすい
といった欠点もあり、それらをきちんと踏まえなければ、有効な使い方はしにくいという
意見もあるのです。

実際にあったときの利点とネットというメディアを利用した時の利点。
そして、それぞれの欠点というものを理解(実践)した上で、
メディアを利用しなくてはいけないのだという事を、かえるはしみじみ思いました。

そして、何よりも恐怖だと思った一点。
ネットのメディアとして一番使われているe-mail。
その瞬間に意見を出さなくても良く、相手の都合を考えずに出さなくても良いというメールは、
大層有用なコミュニケーションツールとなります。
このツールは、そのメールを受信した瞬間にある決断を迫るのです。
「このメールを出した相手(意見)とどこまで付き合うのか?」
とことん付き合うもよし、最低限でとどめるもよし。

しかし、付き合うのも労力であるなら、付き合わないも労力だといわれています。
何故なら、「返信をしない」=『相手にしてもらえていない』と
相手に受け取られるからです。

…。
これらを踏まえた上で、メディアというものを活用しないといけないのかなぁ…
と、かえる、ネットを毎日使っていてちょっぴり恐怖を覚えました。

使う事、使わない事。
そして、それらによってこうむる事。

色々、考えさせられる一冊でした。
      
 
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