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立派な熱中症になったり、立派に風邪を引いたりと、
体が弱ることだけ立派にこなしているかえるです。
こんばんは。
暑い時期に風邪を引くと、どうしてもなかなかだるさが抜けないため、
思い切って、暑い日でもたっぷりミルクのジンジャーティーを入れてくれる
お店に旅に出ることにしました。
熱を持つ体に暑い外。
もう、かえるが熱いのだか外が熱いのだか訳分からなくなりつつ、
目的のお店に到着し、
「風邪っぴきなので、ジンジャーハニーミルクティーを下さいなー」と、
メニューに無いものを無理矢理オーダーし、
あつあつと飲んでいました。
熱さましの効果も期待できるハチミツ、
汗をぎゅーっと出してくれるしょうが、
喉が痛い時には楽ちんな濃厚ミルクの飲み物を飲みつつ、
暑いのにも関わらず、きちんとアイロンのかかった麻のシャツを着たマスターを
ぼんやりと眺めていました。
お茶をいれる。
コップに移す。
お客様に出しに行く。
戻ってきたら、スプーンから何から全部使ったものは洗う。
洗う洗う洗う。
暇だったら、ぴかぴかにするぐらい洗う。
もっと暇になると、奥からコップを出してきて丁寧に洗いにかかる。
さらに暇に襲われると、グラスを出してきてお湯で丁寧にゆすぎ、
乾いたタオルの上にそっと載せ、曇りなしのグラスにする。
マスターのお仕事ぶりを見ていると、
なんだか、「お茶を入れる」「おやつを焼く」という仕事よりも、
「洗う」「綺麗にする」「きちんとする」といった仕事の方が多いみたいです。
その「洗う」の間に「お茶を入れる」という仕事が入ってしまい、
最初の「洗う」の仕事がめちゃめちゃになったとしても、
別にむっとする様子も無く、ただ、もくもくと洗っていました。
ただひたすら洗うこと。
最初のうちは、なんだか楽しそうだなぁとも思っていたのですが、
あれだけがちょがちょ洗っていたら、手ががさがさになりそうです。
あまり手の荒れを気にしない男の人(しかもちょっと枯れ気味)だとはいえ、
手荒れがさがさは大変そうです。
という訳で、
「手荒れは大丈夫なのですか?」と聞いてみることにしました。
幾らお仕事とはいえ、手袋無しの一日中大洗いは大変そうです。
けれども、帰ってきた答えは「別に大丈夫ですよー」という笑顔付きの声と、
特に激しい手荒れもない綺麗で大きな手のひらでした。
マスター曰く、「毎日寝る前に手入れをしているのですよー」との事。
流石にいくら男の人の丈夫な肌とはいえ、
一日中がしょがしょと洗っていたら手は荒れ放題になる。
けれども、この手は洗うだけではなくお客様にお茶を提供する手でもあるので、
迂闊に荒れ放題というわけにもいかない。
なので、奥さんに手袋と激しい手荒れ用のクリームを見繕ってもらい、
毎日寝る前にケアをして寝ているとの事。
「一日でもサボると大変なのに、夏寝る時は蒸れるから大変なのです」
と笑いなら、でもがちょがちょと洗っているマスターは、
やっぱり偉い人なのだなぁとしみじみと思いました。
忘れずに毎日やる事。
めんどくさいなぁと思っていても、毎日淡々としている人の成果を見せ付けられると、
やっぱり格段に差が出るのだなぁと思ってしまいました。
何でも、ずっとやり続けるのは大変そうです。
のみのみ。
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