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年頃の娘さんが、ブランド物の鞄と共に歩いているのを見ると、
丈夫だから流行っているのかなぁと真剣に考えてしまっていたかえるです。
どうやら違っていました。
名古屋娘さんならきっと沢山。
そうでなくても、お年頃を迎える頃には一つや二つ手に入れたいと思う
ブランド物の鞄。
毎日を取りあえず過ごせればいいやーと思うかえるにも、
そんな「あの茶色くて格好がよいものが欲しい!」と思うようになる
お年頃がやってきました。
年に1,2度ぐらいはそこはかとなく思っていたのですが、
こんなに長く思い続けるのは初めてです。
きっと、そろそろそういうお年頃を迎えたに違いありません。
万歳、お年頃です。
と、「どんなものが良いのだろう」と鞄をいろいろ物色してみたのですが、
イマイチどれがどういう名前でいくらぐらいなのかが検討がつきませんし、
使った感触がどうなのかというのもよく分かりません。
でも、納得がいかないまま「取りあえずブランド物だから」と買ってしまい、
後で大後悔するのも困り者です。
ということで、きっと親なら一つや二つぐらいもっているだろうと、
電話をして借りることにしました。
「で、お母様、よろしければ偉い鞄を貸していただきたいのですが。」
「使ってないから、見つけたら渡すねー」
あっさり二つ返事と共に、やってきた偉い鞄。
今までの学習で一応どこのブランド物であるかということぐらいは分かったので、
「よし、年頃娘さんに近づきつつある」と幸せをかみしめつつ、
普通鞄とどう差があるのか検証してみることにしました。
…が、なんかおかしいのです。
革製品にも関わらず、図書館準備室のようなかび臭さを感じるのです。
一抹の恐ろしさのもと、そーっと検証してみるかえる。
全体的には普通に見える。
きっと、ずっと使われなかったに違いない鞄。
油がなさ過ぎて、革部分に亀裂が入っている。
…。
外ポケットの中に、カビ発見。
偉い鞄のはずなのに、なぜか扱いはぞんざいであったと分かる一品。
お外で見かける偉い鞄は、なんとなく誇らしげに使われているのに対し、
この鞄は、「使わないから」と適当にたんすにしまわれたまま、
数年湿気の薫陶を受けてきたに違いないという、酷い扱い。
その、あまりもの扱いの酷さに、かえる、電話口で叫びました。
「お母様、いくら使わないとはいえ、この扱いは鞄が可愛そうです!」
「だって使わないし。 あ、あげるから適当にすればいいじゃない」
…。
元々、祖母へとおばさんが買ってきたのに、「要らない」と、
捨てられそうになった鞄。
「要らないなら、使う」と貰われた割には使われず、
あっという間にたんす行きになった鞄。
…。
世の中、価値観は星の数ほどあれど、その価値観でここまで酷い目に合わさなくても…。
と、たっぷりおもった今日一日でした。
…修理代っていくらかかるのか、そのうち見積もりに出してあげようかと思います。
このまま放っておくのは、いくらなんでも鞄が哀れです。
ああああああ。
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