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暑くなれば暑くなるほど、寒くなれば寒くなるほどに、家の中でごろごろするのが
大好きになっていくかえるです。
春の一部と秋の一部ぐらいしか、外には積極的に出かけたくありません。
梅雨があけ、暑くなる前にするのは梅酒と梅シロップの下ごしらえ。
ぐったりとした夏も過ぎ、日に日に寒くなりはじめると始めるのが、
ひたすらゴトゴトと煮続けるスープストックと手いたずら。
季節の合間で作るのは、大概、たっぷりすぎバターの焼き菓子。
傍から見た場合、優雅に見える割には重労働な手仕事集団なのですが、
家に居るのが大好きなかえるにとって、「家に出ない」以上の重労働はベッドメイキングぐらいです。
何時間もちまちまと同じ事をし続けて、スープを煮出し続けたり、
針を何本も折ったり、指先に突き刺し続けたりすると、
そのうち出てくるのが「あ、これはこういう裏技で手が抜ける」という手抜きの技術なのです。
小豆は夜寝る前に水につけ、ふきんをかけてから眠ると8時間待たなくて良い。
煮ている間に出汁をとっておくと丁度冷える。
裏わざと言うよりは、一連の作業を日常に組み込んだだけという気もするのですが、
毎日ちまちまとするものは、「いかに上手に組み込んでおくか」が能率と根性が向上する秘訣です。
というわけで、日々「2週間後にスープを送るから、今日はストックだけ作ろう」
「週末に人様にお会いするから、今日は布だけ切ろう」と1日、1〜2時間をちまちまと
煮たり切ったりこしたり縫ったりしていたのですが、だんだんと「ああ、時間が勿体無い」
と同時並行で作業をするようになってきてしまいました。
お洗濯回しつつ、お皿洗いつつ、煮物をする。
このぐらいなら、頑張っているのは洗濯機とガスコンロぐらいなので微妙に分担作業なのですが、
同時に2つスープを作ろうとした場合、頑張らないといけないのは机の上に置かれたボールの類です。
一応、左右においてはあるものの、ちょっとした手の具合でめちゃめちゃになるボウルの位置。
似た様なスープを作っていた場合、確実に混乱する上にスープ焦げます。
仮にも人様に送る都合上、焦げたスープはまずいですし、作る以上は丁寧に作らなくてはなりません。
ある程度感覚を掴むまでは、何かを加えるごとに確認し、首をかしげつつ作っていた品々。
でも、何度も作るとどこかで「こんなもので」と裏ごしの回数や綿の入れ具合が減っていき、
首を45度以上に傾げたくなるものになっていくという不思議。
最初の頃は好きで作っていたものにもかかわらず、気付けば「沢山作る」にシフトしていた趣味の数々。
別に激しい締め切りがあるわけでも、作らないと大変なわけでもないのだから、
もっとゆっくり一つ一つ作っても…とふと思った趣味作業中。
生産頻度を上げても偉くなるわけでは無い事を、時々、再認識なのです。
ちまちま。
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