平成14年6月27日。
 
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「過去を全部忘れてしまいたいの。ここに居たと言う事実すら、全てなくしてしまいたいの。」
そう言ってかえるの前から居なくなった人のことを、この時期になると思い出します。

別に嫌でも、いらいらする記憶でもないのですが、
言われた時は、いったいどうすればよいのだろう・・・。
かえるは何を言えるのだろう・・・と途方にくれた事を思い出しました。

覚えているにはあまりにもつらい記憶。
いっそ無意識下に押し込んで、それがどんなに辛くても、どんな症状が出てしまったとしても、
そのまま走って逃げて・・・逃げ切ってしまいたい記憶というものは、
どんな方でも、1つや2つはあるみたいです。

いっそ無かったら、経験しければ、覚えていなければ良かったのに・・・という記憶。
苦しんで、苦しみぬいて、それでも脱却できなくて、足掻いて、ただ足掻きつづける方もいますし、、
そのあまりにもの苦痛に、無意識下に押し込んで忘れてしまい、
その押し込んだ「記憶の重さ」からくる苦しみだけを延々と味わいつづける方も居ると思います。

けど、そこまで苦しんで、悩んで、それでも日常生活を営んでいたあの人はとても強いと思います。

強い虚無感は人の心を蝕みますし、心が蝕まれれば当然体の方にも様々な症状が出てきます。
それは、拒食だったり、胃潰瘍だったりと人それぞれですが、そんな症状を抱えていても
きちんと日常生活を営めるというのは、相当な覚悟が必要だからです。

本来なら抱く必要性の無い感情や症状。
憎みたい、なかった事にしたい記憶。

でも、その記憶や症状やそれに費やした時間・気持ちのゆれ・覚悟といった様々なものが
その人をその人としているのではないでしょうか?

辛い過去が無ければ、あの時あの人は泣かなくても良かったかもしれません。
けれども、その過去のおかげで学んだ事ということはあるはずです。

強い言葉でショックを受けたらならば、同じショックを与えないように気をつける。
一瞬の激しい感情で友達を無くしたのであれば、出来るだけ一瞬の感情とうものに走らないようにする。

そうやって過去苦しんだ原因・記憶というものを元にして、人は成長するのではないでしょうか?

過去があるから、今があるのだとかえるは思います。
      
 
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