平成16年9月6日。
 
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ハスの花は、咲くときに「かぱっ」と音を立てる。
という話を最近まで信じていたかえるです。
こんばんは。

遊びに出かけられるほど体調が思わしく無い時は、
毎週1本づつカサブランカを花瓶にさしていくという、かえるルールがあります。

皆が「楽しかったよ」「こんな事があったよ」と教えてくれる事に対して、
「くぅぅぅ」とハンカチを噛んでしまわないようにと、
以前綺麗なお姉さんが教えてくれたルールなのです。

そんなルールを実行するようになって数年。
今月はあまり元気がないらしく、毎週毎週ゆりが一本づつ増えていくという、
「常に百合がお部屋にありますキャンペーン」が決行されてしまっているのです。

切ないことこの上ありません。

が、寝ても覚めても作業をしていてもお茶を飲んでいても、
どこからかふわりふわりと香りがしてくる、というのは非常に心地の良いものです。

と、夜中ぽっかりと目を覚まし、再び眠りにつけぬままにつらつらと考えていた時、
「ぱか」っと小さな音と、甘くて仕方がない香りがふんわりと香りました。

誰も泊まりにきていないので、お腹が空いた誰かがおやつの蓋を開けた音でも、
ペットボトルを取り落とした音でもありません。

確実に、一匹でごろごろしているかえるのお部屋で聞こえた音なのです。



不審に思いつつも明かりをつけ、何か変化でもないか?とうろうろした結果、
見つけたのは、寝る前にはぴったりとくっついていた百合の花びらが、
離れているぐらいなものでした。

花びらと花びらが離れる時に出す本当に小さな音。
今までの香りと違った、むせ返るような百合の甘い香り。

花が開く前の、白くて硬い冷たい香りから、
花が開いた瞬間の、クリーム色の柔らかくてほの温かい香り。

その違いが、「ぱか」という小さな音で変わるという事実をしり、
お花はそこまで素敵なことをさりげなくやってのける天才なのだなぁと、
しみじみとおもってしまいました。

ふかふか。
      
 
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