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ほこほこと暖かいときを狙って外出してきました。
日差しが良い日は、車の中は温室になるということを身をもって学習したかえるです。
こんばんは。
小学生のお道具入れよりやや大きい箱を開けると、中身は真っ白ふかふかでした。
引きずり出すと、大体60cm×80cmのふかふかの布。
あと、うす茶色の小さな布。
そして、お道具の類が少し。
当分使わないけれども、絶対に捨てちゃいけない物。
というものが出来ると、かえるはついつい箱に丁寧にしまいこみ、
その箱を更にクローゼットの奥にしまいこんでしまいます。
そして、丁寧にしまいこまれた箱は、そうそう滅多にお日様の下に出ることは無いのです。
そんな犯罪者のような箱を見つけたのが、つい先日のこと。
何だろう? とふと開けたところ、テディベアの材料である布が出てきました。
唐突ですが、かえるは過去、ぺけんを始める前はテディベアを作るのが趣味でした。
型紙ひとつで変わる顔、ジョイントの種類で稼動範囲が変わる腕、
何度作っても同じ顔にならないという刺しゅうや目玉。
そんなものが非常に可愛らしいと思い、メリーソートという会社のベアを集めたり、
かえる自身でも縫ったりしていました。
けれども、本物の生地でベアを作ろうとすると、半端でなくお財布に怒られます。
今よりももっともっとお財布との力関係が弱かったかえるにとって、
生地を買うのはそれはそれは大変なことでした。
でも、出会いというのは唐突なものです。
ふらふらと出かけた布屋さんで見た、この白くてふかふかな布。
肌触りもとても良く、「これでベアを作れたら…」とうっとりしてしまいました。
そのくらい、色も毛の長さも肌触りも理想的な柔らかさだったのです。
…。
思わず買っちゃいました。
でも、ベアは糸のちょっとしたひっぱり方具合ですぐに形が変わってしまう癖があります。
生半可な腕ではかわいくないベアが出来上がること請け合いです。
買っちゃった布。
未熟な腕。
「上手になったら、こっそりと縫い上げよう」
当時そうおもったかえる。
そのとき手元にあった一番丈夫な箱に布を丁寧にいれ、ついでに道具もしまいこみ。
クローゼットの一番奥へ押し込んだ気がします。
…今のかえるでも、多分同じ事をするに決まっています。
けれども、数年ぶりに出会った素敵な布。
ベアだったら、布団の中だって縫えちゃうという利便性の高さ。
具合が悪くてお布団の中でじっとしなくてはいけないときに、
一針ひと針、こそこそと縫ってみようとおもいます。
長い間やらなかった宿題。
そろそろ仕上げてあげないと、かわいそうです。
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