平成17年4月29日。
 
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微妙に一家全員が離れて住んでいるという状態の為、月に1度ぐらいしか肉親を見ないかえるです。
だって、蛇だし。


両親そろって巳の生まれなので、たまに実家にかえると、
「いつ頭から丸呑みにされるのか」という恐怖が頭から離れない為、
出来るだけ実家に帰らないのですが、それでも時折「送るほどでもないので手渡し」
というものが出てきます。

小学校の卒業アルバムだったり、同窓会の葉書であったり、実家にある手芸の本だったりと、
本当に瑣末なものなのですが、代替の無いものばかりなので、
ちまちまと手渡しで貰っているのです。

駅の改札口隅っこで、親子がこそこそと物々交換。
改札口出てお茶でもすればよいのですが、最近遠出が流行の親なので、
「これから遠いところに行くのでお茶している時間などない」
などと言い放ちます。
遠出以下の子供には非常に優しくないのです。
いつものことです。

更には、物凄く時間に対してのんびりです。
5分遅れで来たら脅威。
10分なら物凄く早い方。
携帯が無かった時代、1時間半待たせて「あ、ちょっと遅れた」と
笑顔で現れたこともありました。

なので、30分遅れまでは携帯も鳴らさず腹も立たずにぼんやりと待っていたのですが、
肌寒かったこの日、45分遅れた段階で流石に電話をしました。


…電源が切られているか、電波の届かないところに…。


…。
5年ほど念仏のようにつぶやき続け、ようやく買った携帯も、
持ち歩かなければ携帯ではありません。


…。
更に10分ほど待ち、風邪をひいた感じがしてきたので、
せめて実家の留守電にはメッセージを残して退散しようと、電話。


「はいもしもし。」



…出る親。


「お母様、本日は間違いなくお会いする日でございましたが…」
「え、来週でしょう?」
「…先日、29日の13時と申されましたので、こちら13時から駅改札口で…」
「いや、だって今週は遠出する予定無いもの」
「…。」



過去に、遅刻することは良くありました。
遅刻した挙句に、「いいじゃない、そっちの都合なんだから」と思考が止まる事も言われました。
が、全力ですっぽかされた挙句に色々言われたことは初めてです。


…。
かえるの待っている1時間、それはいろんなことがありました。
別れを惜しむカップルのいちゃつき、15分間視聴。
切符をなくしたと訴えるおじさんの主張、25分間拝聴。
自動改札口にてひっかかる人の数、7人。



…来週までに風邪を治して、次こそは親にあいたいと思います。
うううううううう。
      
 
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