平成17年10月30日。
 
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夕食後、ぼんやりとテレビをつけていると流れてくる懐メロ特集。
聞くとも無しに聞いていた所、ある年代だけやたら歌える事に気付いたかえるです。
年、幾つだったっけ。

最近の歌はとうとう分からなくなった上に、
普段聞いているのが、ミュージカルのBGMだったりするので、
完全に歌を歌う機会から外れてしまったのですが、それでも時折一人ぼっちの時には、
ふんふんと歌らしき物を歌う事もあるのです。

アラブの偉いお坊さんが、コーヒーを振る舞う歌。
九十九里浜で恋が生まれたり破れたりする歌。
音程は分かるものの、歌詞がさっぱりなので、歌と言い切れるかいまいちな歌のきれっぱし。

一体何処で覚えたのか、不思議でたまらないのですが、
テレビを見ていた時に聞いていた歌謡曲よりも聞き覚えがある分、多分一度は覚えようと歌ったみたいです。

しかも、不思議な事に振り付きで。

世の中振りまで付けて歌を歌わないといけないのは、罰ゲームか間違えて歌手デビューでもした時でしょうが、
もちろんどちらもあてはまらず。

それどころか、歌った所で懐メロと認識されない程古い歌確実シリーズです。


…一体何処で拾ってきてしまったのだろうか…と悩み悩んでいたのですが、可能性は一つ。

山の中。


世の中が、環境破壊だの、町の子は緑をしらないだのと言う世論に満ちていた頃、
夏になると子供を山の中に放りこんでサバイバルごっこをさせた事がありました。
最初の頃は、共通の話題で盛り上がっていた子供も時間が経つと交換情報も無くなり、暇になります。
その時、きっと誰かが戯れに教えたいのがこれらの歌に違いなく。

しかも、新しいもの好きの年頃がぞろぞろいたサバイバル。
山登り登山から下山までひたすら歌い続けたに違いありません。

山の中、どの場所でテントを張るべきか。
親くぎの打ち方は。
雨対策の溝の掘り方は。
マキの割り方、束ね方は。

といった、偽サバイバルの中での無駄懐メロ大合唱。

子どもに何か良いものを!とどんなに大人がよってすぐって押し付けても、
選択して吸収する権利と言うものは、子どもに側にあったみたいです。


でも。
出来る事なら縄結びとか覚えたかった…。  
役に立たないこと、この上ありません。
ううう。
      
 
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