平成18年6月6日。
 
Picture
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ぽつぽつと書きたいことはあるものの、どうも形にならない。
ああでもない、こうでもないと思っていたらさっぱり消えてしまったかえるです。
携帯の機能は恐ろしい。

優雅な猫の形。
かと思えば、やたら可愛い三匹の豚。
形ではなく、香りだけで勝負のシンプルな楕円。

自分のものを買うときは、偉く悩み倒しすぎて周囲からあきれられ、
それでもまだまだ悩みこむくせに、香りのものは何故か手元においてしまう。

スプレー式のものは、洋服や下着に吹き付けておく。
固形のものは、洗濯物と一緒にクローゼットや脱衣所に置いておく。
体用のは、季節に合わせてパジャマと一緒に引きずり出しておく。

ほかの事は全力でさぼるにも関わらず、季節によって変えていくこれらの雑事だけは、
つい、嬉々としてやってしまう大好きな家事の一つとなっています。

春は季節先取りな花の香りを。
夏は虫除けとさっぱりとしたものの香りを。
秋は前半と後半で香りを変えないと重たくなるので、住み分けを。
冬も同様、ちまちまと香りを変えるので準備をしておく。

これだけ上げると、どう考えてもめんどうな香り分けなのですが、
季節が変わったと実感できる上に、去年はどんなことがあったのかが、
香りで思い出せるので、意外と便利なアイテムなのです。

そんなわけで、出先で暇になると一番先に探すのは香り屋さん。
フレグランスよりも、部屋用、石鹸や体用の香りを売っているお店に、
ついつい足を運びすぎ、ひどい目にあってしまうのです。

どんな場面で使えば良いのか分からないまま眠らせた、麝香入りの石鹸や、
かえるにも日本の殆どの場面では違和感であろう、カサブランカの香り。
使ったら最後、日に日にやせ衰えるに違いないコブタのピンクの石鹸達。

香りや形状にほれ込んでは手に入れ、一匹悦に入り浸るこれらの香りもの。

一体どこから、これほど香りに執着し始めたのだろうか? と自身で考えるほど
執着っぷりなのですが、久しぶりに実家に荷物を取りに行ったとき、
気付いたことがありました。

頂き物のタオルや、下ろす前の新しい洋服。
これらを入れておいた大きな箱やクローゼットには、必ず化粧石鹸が入っていました。

無臭と歌っていても、防虫剤独特ナフタレンの香りはどうしても布に移ってしまいます。
それを嫌ったのか、それともたまたまだったのか、
長期間保管している布物には、化粧石鹸のふくよかな香りがうつっていました。

おたまじゃくし心に、いい香りだとメロメロだった化粧石鹸。
けれどもそれらは決してお風呂場には姿を表しませんでしたし、
親に問うと、「アヒルが痩せほそっちゃうでしょう?」と真顔で返された気がします。

いつか、思う存分アヒルを痩せさせたり、豚を貧相な姿にさせたり、
被害にあわせる代わりに、良い香りを振りまくイキモノなりたいと、
何度も思ったに違いない、おたまじゃくし時代。

あんまり気持ちが大きすぎて、ついうっかり凄い勢いで収集活動に乗り出してしまっていますが、
基本は、「ほんのりとした良い香りを思う存分堪能したい」というみみっちぃ昔への復讐。

梅雨で洗濯物が乾きづらいときなどに、奇妙なほど威力を発揮する石鹸の芳香なのですが、
生活の知恵で使い分けるというよりは、昔の野望を成し遂げたいだけという、
人生、偉くみみっちぃ生活を送っているに過ぎません。


永遠の物語ではなりませんが、
大人というのは、子供の頃の自身野望をかなえるためだけに存在しているのではないか? 
と時折しみじみ思うのです。
      
 
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