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空は高いのかくすんでいるのか。
日に日に薄くやる気なくなっていく青に、同じくぐったりしているかえるです。
元気になりたい。
梅雨明けになると、多量に出回るぷくりとした青い梅。
新しい果実酒瓶に氷砂糖、毎回悩む漬けるお酒を漬け込み、
「美味しく出来るかなぁ」と祈りながらしまいこむ。
湿度と空の青さに嫌な気持ちになるのを我慢して、秋まで待たないといけないのが梅酒としたら、
その、嫌な気持ちになったあたりでたっぷりと楽しめるのが、梅シロップでは無いかと思うのです。
梅1キロ、グラニュー糖1キロ、お酢1/4カップを容器に入れ、涼暗所で一ヶ月で完成のシロップ。
梅酒と同じくペリエで割ったり、かき氷にかけたりと、アルコールの代わりに糖度大量摂取を続け、
飲み終えたあたりで梅酒の時期を迎える、「夏限定」の美味。
暑く暑く、既に頭の中が煮えたぎっているのではないか? 等と真剣に考えたり、
暑さにやられてご飯なんて食べたくない…とうっそりとした顔になるときには、
大葉たっぷりの梅そうめんと、梅シロップペリエ割りが救世主になってくれたのです。
すっぱくてたまらないクエン酸たっぷりと、全力で低血糖からの脱却が狙える各々一杯。
夏まっさかりになると、梅飲み物を地味に作って凍らせて、外出先でも飲み続け、
それ以外は受け付けなくなるなるような、中毒状態の梅飲み物。
空が青ければ青いほど美味しくなり、薄くなればなるほど飲まなくなるという一杯なのですが、
この度、ようやく今年分の梅シロップが終了となりました。
梅の実もシロップも、両方美味しくいただけた梅シロップ。
通年なら夏休みが終わるまでには飲み終わるものなのですが、気候の影響か本日まで残ることに。
けれども甘いものが終了し、梅を仕込むまでの半年間はいよいよ梅酒の季節なのです。
夏の間、ひたすら冷暗所で夏を越し、いい感じにお酒と混ざってくれたはずの梅酒達。
お酒の度数によって、来年まで持ち越すものや、とっとと飲まないと出すぎてしまっているものまで、
梅シロップ以上に忙しくなるのもこの季節。
秋果実が多量に出回るので、クリスマス用のミンツを漬けなおしたり、
梅酒の梅を抜いては一匹でかじかじと齧っておやつを楽しんだり、
台所の下に、来年まで保存の梅酒をえっちらおっちらと仕舞い込んだりする今季節。
間違いなく、今の世の中と逆行しているようなちまちまとした生活なのですが、
「忙しくても必ず作っておくもの」というのが幾つかあると、凹んだ時にも有効です。
半年前、忙しい中必死で作ったかえるへ。
ちょっとゆとりが出来たかえるは、現在大喜びで戴いております。
ご馳走様です。
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