平成19年2月20日。
 
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雪さっぱり降らないという温暖な今年の冬。
暖かいのは寒がりとしては幸せなのですが、雪だるまが作れない事だけが心残りのかえるです。
雪兎も好きです。


ふわりと積もった雪に負けずに咲く梅の花。

雪に生える紅梅も色気があって好きなのですが、
雪になじみつつも存在を主張する白梅も愛らしくてたまりません。

椿から、冬を奪うかのような咲く上に、夏前には果実まで美味しくいただける梅の木々。

桃ほど可愛らしくなく、桜ほどはかなくもなく、
さほど人の目にも止まらない時期にそろりと咲くあたりがいじらしくてたまらなかったのですが、
この温暖の冬においては、梅も密やかに咲く事をやめてしまったみたいなのです。

暖かすぎて、一気に満開になる梅。
咲いている期間が長いので、華は独り占めかと思いきや、
同じく長く咲く桃が追随するかのごとく咲きほこりはじめました。

これだけなら、春が早くきたと喜ぶだけで済んだのですが、
早咲きの桜まで早々に咲き始めたときたら、百花繚乱にもほどがあります。
一体、お床に何を生けてよいか分かりません。

いっそまとめて放ろうかとも思いましたが、いくら練習のお茶とはいえ、
そこだけ豪勢かつ季節感台無しなのも困りものです。

早く咲けば風流で。遅く咲けば名残で飾れて。


でも、現状は間違い無く花盛り。

一体どうすれば楽しめるだろうか? とお茶の先生と膝突き合わせて悩んでいたのですが、
よくよく考えでもみれば、全部一度に見られるなんてめったにありません。
ヒモウセンと傘を運んで野点でもすればよいのでは?
と思いたったのはお茶会の後。


…。

こうなったら、単体でもお花見に行ってやる!
とネットであちこち探してみた所、気温、時期的に一番綺麗に咲いているのは水戸の梅園との事。

水戸の梅園と言えば、秋の栗蒸し羊羹と梅の小さな香水です。
普通のボトルでさえ、てのひらに収まるほどの小ささに、ほんのりと香るか否かの梅の花の香り。


桜ほどにも香らないのに、こそりと存在を主張したがる梅そのものの小さな瓶。
あの表現力の見事さにかけては的確としか言えない「うめはるか」。


そろそろ、花煩いと言い訳してでも手に入れたくてたまりません。

ふかり。
      
 
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