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うっかり気を抜いていると、「周回遅れ☆」とささやかれていたことが本気になってしまいそうで、
休み時間や、休憩時間に全力で携帯でかちかちしているかえるです。
あ、朝の電車は魂抜けてます。
入道雲がほんのりと薄くなって、秋の秋刀魚みたいに溶けていって。
ただただまぶしくて、暑くて、倒れることだけを回避するかのような生活をし続けていたところ、
「新しく保険証が出来たから、取りに来てね☆」の手紙が期日を迎えているのに気がつき、
大慌てで引き取りに行ってきました。
以前よりほんのり厚くなった保険証の裏には、「臓器提供カード」の文字。
今までなら何も考えずに、ぐりぐり丸をつけてしまっていたのですが、今回ばかりはちょっと違います。
目玉や心臓や内臓を提供した後に、すかすかで棺おけに入るのは、
ダイエットに励みすぎた気がしてたまりませんが、かといって、そのまま燃やしてしまうのも、
質量保存を無視した焼き上がりをかんがみるに、勿体無い気がするのです。
使わないなら、使える人に使ってほしい。
けど、お目目落ちくぼんでミイラ化するのもちょっと嫌。
いつものように方向性のずれた考えに、かえるながら途方に暮れていたのですが、
棺おけにみっちりとお花をつめたことを思い出し、ふと妙案を浮かべてしまいました。
箱にみっちり花を入れられるなら、体の中にもみっちり入れて貰えばなんとなくいい気がする。
かえるの好きなお花に、中からも外からも挟み込まれて燃やされる会。
うまく抽出したらいい香りになったかもしれませんが、一生に一度なので贅沢してもいいんです。
あ、これならいいかも。
なんとなく、かえるだけ腑に落ちた「提供後のダイエットを、いかに元に戻すか」を考える会。
みっちり香りなら、幸せかもと一匹ふんかふんかと喜んでいたのですが、
どんな考えにも、上には上がいるものでした。
「どうせつめるなら、マカロンつめればいいじゃん。」
…まかろん。
最後のお別れとして故人の好きだったものを積めたりしますがが、体の中にそれを詰めるとは流石に予想外。
でも、焼いたら程よく綺麗な色がつきそうで…。
提供後の詰めるもの案変更、「お花」から、「緑色のマカロン」でお願いします。
これで、燃やされた後は名実共に緑色の小さな生き物です。
生きているうちに果たせなかった野望を、その後に果たす。
世の中のタブーをかなりぶっちぎっている気がしますが、かえる、これで提供する気満々です。
みどりいろー。
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