
7月3週。
本日まで、様子をうかがっておりました。
事の起こりは地域社会からでした。
朝、昼、晩、ご近所のあちらこちらから断末魔が聞こえておりました。
『家の中で、虫と出会ってしまったのだなぁ』などと、
聞こえてしまった側としては、深い同情と共に覚悟を決めておりました。
断末魔は、日に日にご近所で聞こえ始め、そして先日、唐突に台所で発見されました。
ノミバエ、予約もないのにご訪問です。
大きさ2ミリにもならない小さな虫が、一匹二匹どころか、
何匹も何匹も飛び回っているのは、それはもう衝撃でした。
想像の斜め上の光景です。
そのあまりの様相に思わず叫びました。
ご近所の同情と警戒を促すために、それはもう叫びました。
叫んだついでに手持ちの殺虫剤をありったけたたきこみ、
そのまま家を離脱しました。
武器調達の為です。
敵せん滅の都合上、対象対応、根幹対応、現場の回復が考えられます。
既に現場近くは全て敵に抑えられていると言っても過言ではありません。
一刻も早い反撃が防衛と共に重要であると考えられます。
宣戦布告も無いのに、いきなり大戦争状態です。
心の準備も、重要な物の引き上げもないままの戦争は、本当に心がすさみます。
この状態においては、相手への配慮や人道的配慮は本当に無理です。
一匹でも残しておいたら、将来お互いに禍根が残ります。
せん滅しか、選択肢がありません。
というわけで、マスクをしては延々と殺虫剤をふりまき、
殺害現場をひたすら消毒してまわり、
生き残りや子孫がへき地で生き延びないようにビニールでがっちりと縛り上げ、
隠れられそうな物については、すてられるものは捨てさり、予防消毒をし、
週末には更に重ねてバルサン炊いて、生き延びられない環境を作り上げました。
暇さえあれば現場近くを見て回り、生き残りがいないかどうか、生き残れる場所が無いかの確認。
発見した場合は、すみやかな殺害と回収と消毒と拭きあげ。
食事をした場合は、速やかに洗って拭いてしまって、生ゴミ等の処置。
既に、家の中にも関わらず、まるで山中キャンプのような様相でした。
キャンプなら終わりがありますが、家の中なので逃げ場はありません。
挙句、うっかり離脱すると、敵の増殖を許す可能性すらあります。
地獄でした。
毎日、帰宅するのが非常に覚悟が必要な状況でした。
あまりに目の端で敵を確認するので、「とうとう暑さの為に幻覚がはじまったのか」
と、別方向で心配になるほどでした。
そんなことが数日続き、とどめのバルサンを炊き、延々と現場の回復を行っていた、
今週末から本日先ほどまで。
というわけで。
ようやく!ようやっと!そういうわけで!
ここ2日程さっぱりと敵が現れなかったので、
かえる家(本人含む)の崩壊の危機は、どうにか回避できたようです。
よかった。
本当に、よかったです。
家、大変綺麗になりました。
まる!
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