平成26年2月23日。
 
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2月4週。

つまり、そういう事です。

人様のお話を聞くにあたり、何度も繰り返し言われたのは、
「片思いの相手の話だと思って聞いてみなさい」という、
大変ロマンティックな言葉でした。

何しろ片思いの相手です。
相手の事を、知りたくて知りたくてたまりません。

相手がそれまでどのような物事に会い、どんな風に感じ、どのように表現し、
そして、どのような状況の下で生活し、根底には何があるのか。

その話し方、調子、節から、体勢、視線、服装に至るまで、全てが気になります。
どんな人なのか、そして、どんな風に変わっていくのか。
過去も、現在も、未来さえも気になり、ずーっと一緒についていく。
そんな感じで聞いていきなさいという、言葉です。


もちろん、言われてすぐに出来るものではありません。
日々頭に入れながら、何度も思い返してはの積み重ねで、
だんだんと出来るようになっていくような要件です。


が、時には疲れます。


如何せん聞く側だって人間です。
体調悪い時も、聞きたくない時も、こっちが話したい時だってあります。

いいじゃないですか、レッテル貼り。
人と会ったその瞬間の、「あ、この人多分こんなのだ」という直感だけで、
後の都合の悪い点は全てシャットアウト。
自分の理論に会う発言や行動だけで、決めつけ決定。

大変気楽です。
深く考え込んだり、色々な角度から見なくて良い。
こちらの対応にも迷いがなくなりますし、互いの不利益を考えなかったら、
こんなに気楽な事はありません。

しかし、実際の人間相手にやってしまうと問題です。
なぜならもちろん、人間は成長する生物だからです。

ずーっと同じ外見の人が居ないように、ずーっと同じ中身の人もいません。
その上、対応するこっちだって人間です。ある日うっかり変化しているかもしれません。


そんなわけで、ある程度の見極めと再考は、常に大切ですが、
時には、大変疲れます。


言い切りの、あの心地よさ。
相手の事を一切考えなくて良いあの清々しさ。
自分の思い通りに相手が動いてくれる、あの麻薬にも似た気持ちよさ。


罠です。
ここまできたら、罠を仕掛けなくてはなりません。


出入り口にはタライを挟み、階段には天井から落ちてくる岩を設置、
狭い通路には、矢で人を追っかけられるように配置しなくてはなりませんし、
大きなシャンデリアはタイミング良く落とさなくてはなりません。


全てが予定調和のごとく、美しく嵌っていく様式美。


要するに罠です。


相手がいつ、どのタイミングで、どんな風に走ってきてくれるのか。
どんな特性があり、どんな弱点があるのか。


じりじりと見極め、相手の調子に合わせて丁重に罠をしかけては、
どかーん!ばーん!と展開していくのを、俯瞰して楽しまなくてはなりません。



というわけで、罠です。


9年ぶりに新作が出た、影牢3。



せっせと貯めて貯めて、貯め込んできたこのストレス。
利子まで生んだストレスの解消のためには、せっせと罠を仕掛け続けなくてはなりません。

もう、罠を仕掛けているのか、仕掛けられているのかよく分からない程の魅惑さですが、
人にはそれぞれ、しなくてはならない事があるのです。


罠なのです!


そんな訳でここ数日、にこにこと丁寧に罠にはまる人生ばかり送っております。


ばーん!
      
 
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