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久しぶりに本気で具合が悪くなり、一日中ベッドの上で固定されていました。
こんなときに便利なのが携帯電話や無線の電話なのですが、
ぽんやりぽんやりとしていた所、やっぱり何通かのお電話を頂きました。
遊びにいこうという電話と、いい加減体力つけろという電話と、
ずーっと引きずっていた恋愛を呪う電話。
別に、ずーっと恋愛相手を呪っているという方ではないのですが、
あまりにも大事にしていて、あまりにも心の中に閉じ込めすぎて、
周囲への配慮よりも、自分の悲しみを優先しすぎてしまった方なのです。
手入れの行き届いたやわやわだった髪の毛は、相手を換えるたびに痛んでゆき、
相手が換われば換わるほど、気持ちはすさんでいくように、かえるには見えました。
自暴自棄になればなるほど、自分を痛めつけるのに。
大事な人を軽く扱えば扱うほど、大事だったという気持ちを自分自身で傷つけるのに。
そして痛いと泣くでしょうに。
そう、かえるには思えるくらい、ずっと悲しんでいる方でした。
恋愛という失恋は出来ても、関係の終結にはまだ至らず、
自分自身の中で決着をつけるという、モノゴトの失恋は本当に難しいのだなぁと、
かえるは思っていたのです。
けれども、他人を巻き込むくらいの恋愛というのは、果たして悪い事なのでしょうか?
確かに巻き込まれた方にとっては、かなりの勢いの被害かもしれません。
実際、被害に遭われた方からしれば、「勘弁してください」というくらいの事だと思います。
そして、巻き込むくらいの恋愛をした本人すらも、「巻き込むのは辞めたい」という恋愛。
罪悪感を抱くなら、誇ればよいのでは?と思うのです
そこまでのめり込める、大事に思える。
そしてそこまでの気持ちというのを誇ればよかったのでは?と思うのです。
さげずんでは、その時の自身が可哀相です。
誇りに思って、大事にして、そしてキチンと悲しめたらよかったのに。と思うのです。
男女問わず、どちらにとっても。
そこまで大事にできたと。
他者にその気持ちを押し付けて、違う違うと嘆く前に。
終わったものをはじめようと躍起になる前に。
違う人に、その影を探そうと涙目になる前に。
だれとも違う人と大事な恋愛をしたのですから、それを丁寧に自分の糧にした方の勝ちです。
ふと、電話を切った後にそう思いました。
言葉を伝える時もタイミングがあるので、電話をしなおして言ってやろうか?とも思いましたが、
きっとそのうち本人が気づくだろうと、そう思っての寝直しです。
いい恋愛をして、いい糧に出来た人が、かっこいい大人になるんだろうなぁ。
そうおもった1日でした。
かえるもいい大人になりたいです。
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