平成14年11月23日。
 
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カエルさんについての考察


伏すこと久しき者は飛ぶ事必ず高く
開く事先なるものは、謝すること独り早し


飛ばずにじっと力を溜めている者は
ひとたび飛べば必ず高く飛び
早く咲く花は散るのも早い


洪自誠 菜根譚 後集第七十六段


カエルさんの文章を読んでおりますと
いつも、この言葉を思い出してしまいます

自分は、普段の生活の中で起こる身の回りの何でもない事や
ちょっとした出来事についてはあまり深く考る事をしません

たまに目を引くような出来事があったとしても
既知のパターンに照らし合わせて

「すべてが起こるように起きて、収まるところに収まってるな」

と、モノのわかったような風を決め込んでしまいます

こういったタイプの人間にとっては
日常的な生活と言うのは非道くつまらないモノで

特に目新しいコトの無い同じパターンの繰り返し程度の意識しか無く

面白いと思ったり、興味を引かれたりするのは
自分にとって未知の領域で

日常を離れた特別な何かをもてあそぶ事で
あたかも自分が非常に崇高な事を考えているような
独善的な錯覚に陥ってしまいます


ところが、カエルさんの場合は日常の中で
自分が既に知っていると思いこんでいる
当たり前の事柄について

ひとつひとつ細かく丁寧に

ある時は考察を加え

ある時は反省をし

ある時は感動をし

そして悲しいときは悲しいと言い

判らない事は素直に判らないと言う

スピーディな展開や笑えるオチは無いのだけれど
誠実な飾り気のない内省の視点で書かれた文章に
ついつい引き込まれてしまいます

ジックリと考えて、おもむろにピョコンと歩を進めるあたりは

まさに名は体を表すと言ったところでしょうか

はたから見ていると遅い歩みのようにも見えますが

その目に映る世界の広がりは自分などよりも
遙かな高みを見据えているような、そんな気がしてなりません



ただ、余計なお世話ではありますが
老婆心から、敢えて一言申し上げますと






じっくりと考えすぎて花の咲き所を逃がさないようにしてください




それでは失礼いたします


by 花の咲き所もないまま枯れ落ちた学生生活を送ったアホ坊主
      

 
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