平成16年11月4日。
 
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かえるの親の代あたりまでは、「教養としての本」というものが何十冊かありました。
でも、最近の「皆知っている本」というのは、教科書ぐらいでは?
と思うようになったかえるです。
こんばんは。


「精神的に向上心のない奴はバカだ」
と友達の口癖を引用し、友達から片思いの女の子をあきらめさせたまでは良かったけれども、
後でその言葉に苦しめられ、最後にはとんでもない方向に向かった「先生」

「初歩的なことだよ、ワトソン君」
と、ワトソンさんといじめているのだか嬉しがっているのか良く分からない、
推理以外には全く役に立たないシャーロックホームズ。

「だれがこまどり殺したの?」
と、よくよく読んでみたら全員犯罪加担者だったマザーグース。

読み物として読んでいるだけでも十分に楽しいこれらですが、
無駄に読者が多いがために、身内でネタとして引用することが可能だったりします。

数を数えた後に、突っ込まれる「それと、梨の木にとまるヤマウズラ1羽」の合いの手。
「ああ、ようやく分かったよー」という声にに「初歩的なことだよ」と言われる意地悪。
「人生が色々あってねー」というお話に「悩め悩め若人よ」というつぶやき。

やっている本人たちとしては、まったく意識無く使える上に苦笑もとれる、
お話をひと段落させる便利な定型文なのですが、
これらは、出典元を知っていないと全く役に立ちません。

知らない相手に迂闊に言ってしまった場合、
「ヤマウズラって?」と聞き返されますし、
「上から物をいうなー」と怒られますし、
「うるさい!」と手もだされてしまいます。

非常によくありません。

そればかりか、友情を破談させてしまう可能性すら出てきます。
しょんぼりです。


けれども、昔から定番とされている本だって100冊は軽く越えるでしょうし、
読んだ人の趣味によって偏りが出る事だってあります。

そんな不安定な前提によって、友情が壊れてしまったり、
切ない思いをするのはなんとなく嫌です。


と、思っていたところ、同年代の人とお話するには「教科書」に出てきたお話をすればよいのでは?
と思い至りました。


夏目漱石の「こころ」だって、教科書で「精神的に向上心の無い奴はバカだ」と言い張っておりましたし、
初恋は「赤い実はじけた」でぱっちんぱっちんとはじけております。
最上川だって無駄に雨を集めて急流になっているはずです。
トロッコだって遠くまで行き過ぎて全力だっしゅで自宅に帰らないといけない乗り物なんです。

同年代なら誰もが一度は読むであろう教科書。
これで、同年代の方とお話のきっかけをつかむのもばっちりです!



本日、出先でお姉さんと「見た変な夢の話」をする機会がありました。
お姉さんの「モスラが2匹でチークダンスを踊る夢」が非常に楽しかったので、
かえるも、「トロッコに乗って濃霧のなか苦しいとうめき倒す夢」のお話をしてみました。

が、

お姉さん:「トロッコって何?乗り物?」


…。
かえるの記憶が確かなら、お姉さんはかえると同じ歳です。
…。
本もだめ、教科書もだめだった場合、かえるは一体何でコミュニケーションをとればよいのだろうか…
と心の奥底からしょんぼりとした1日でした。


トロッコって、知らない?
      
 
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