平成17年9月20日。
 
Picture
○
「面白かった」と読んだ後にすっきりするのが最近の作家さんの作風だとするのであれば、
読んだ後に、「はて、どうなのだろう」と考え込むのが往年の名作なのでは?
と読んで悩んでいるかえるです。
こんばんは。

現実を取って、夢を捨てるか。
夢を取って、現実を捨てるか。


二者択一を酷く真剣に考え込んだ挙句、現実のタイムリミットと才能の限界という自己詭弁で
現実を嫌々みつめていくのが、大半の人間かつ、社会システムが求める人材。

そんな感じでざっくりと生きていた人が、ある日急に「やっぱり、夢で行く」と
仕事や家族、妻や子供を捨てて、さっくりと夢だけ見つけて歩いていってしまったら、
果たして人は笑えるのか、それとも相手を恨むのか。

それとも、「ここまであの人頑張ったし」と相手の空白を埋めるべく、
ちまちまと生活に精を出すことが出来るのか。
相手を無償で応援できるのか。

そんな事を思いながら読んでいた、「月と6ペンス」。

お話自体は非常に有名なので、今更説明しなくてもよさそうなのですが、
「最近、恐怖を感じたことが無いなぁ」という方には、これ以上なくお勧めです。


最初の300ページ分が、つまらないと思えば思うほど、
登場人物に腹が立てば立つほど、移入できないと憤れば憤るほど、
最後の100ページ分での恐怖が増えていくという、そら恐ろしいお話。

今までの人生、なんでこんな選択してきてしまったのだろうか? と、
自身の人生に恐怖を覚えること間違い無しです。


存在するだけの恐怖というのは、迂闊に振り返ると酷い目に遭います。
そんな類の、本なのです。
      
 
Prev Index Next

Top