平成18年10月1日。
 
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気に食わないと感じたら、誰がなんと言おうとも気にくわない。
ただし、一度気に入ったら、何度でも治すし取り寄せるし無くなる恐怖に怯える。
間違いなく、固執と損害回避行動が異常に高いかえるです。
もう、仕方が無い。

色んなものに固執してしまうので、普段は出来るだけ無くならない物で済ます。
どうしても気に入ってしまう場合は、値段よりも長く使えるかどうかが判断基準となる。

そんな生活を長くしていると、手に入れにくいのは生活必需品の眼鏡と時計とお財布です。
それぞれ、無くては生活できない物の一つなのですが、
眼鏡は気に入ったフレームがある時に作り変え、お財布は3代目が無事に活躍していたりと、
地味に難を逃れておりました。

逃れることが出来なかったのは、腕時計。
年に一度ベルト部分を換えてはちまちまと使っていたのですが、
「そろそろ年と時計が合わない」と、時計屋さんから最終通告を戴いてしまいました。

入学のお祝いで買って貰った時計を延々と使い続けた挙句、
制服を着ない立場どころか、違う方向につっぱしった身としては使うには少々柔らかなデザインでした。

確かに、そろそろ買い換えないとよろしくない。

しかし、個人的、身体的特徴的には皮ベルトがすき。
手首がどうも小さいので、そこから出てくるようなのは非常に使いにくい。
一分が分からないと、電車に乗り遅れること間違いなしなのでこれは譲れない。
ベルトを年に一度取り替えられるぐらい、長く出ているものがいい。

ねちねちねちねちと条件を付け、あっちこっちでしょんぼりし、
秒までは分からなくても良いかもしれない…と条件を微妙に緩和し、
ここまで悩んだのだから、気に入るまでは懐中時計で生活しようか…と諦めの境地に至ってみたり。

そんなに急いで買わなくても、そのうち良いものが出てくるだろうと仮・懐中時計生活を堪能していた所、
ふと気づくと、7年ほど経過しておりました。

…。

どこからどう考えても、ちょっと長考しすぎです。
考えすぎてしまった挙句、懐中時計で生活するのに何の違和感も感じなくなっている
かえるが居てたまりませんが、これ、よく考えたら借り物の懐中時計です。
本気でよろしくありません。

などと、一匹青ざめた挙句じたばたしてみたのですが、今まで探してなかったものが
すぐに見つかるわけなどまったく無く…。

などと、思いつつ招待状が着たからという理由だけで出かけた秋冬の鞄イベント。

雑誌で見かけた気がするお姉さんが、満面の笑みで鞄を持ち歩いてくれるイベントに、
顔だけ出して帰ろうかとぐるり見渡したところ、見つけたのが青い針の腕時計。

茶、黒、ラベンダーと、三色展開の皮ベルトに、きれいな白い顔、黒の文字に、青の針。

付けてみたところ、手首内側よりも小さく、振り回しても飛んで行ったりしません。
なにより、小さすぎたりしないのですぐに時間が分かる基本も抑えてあるのが何より素敵。


ということで、すっかり大振舞いする気になったかえる、
一目ぼれの子をそのまま連れ帰り、うっとりと魅入ったまま7年目の決着を付けることとなりました。

スーツでも、私服でも、ふらふらと遊びに行くときにでも、違和感無く連れて行ける生き物。
ちらりと手の内を外側にもって行くだけで、時間が分かるという当たり前の幸せ。

7年もかけたという概念と、満足いくものが手に入ったという充実感でもって、
あと7年ぐらいは、うっとりと使い続けていけそうです。


うっとり。
      
 
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