平成18年10月17日。
 
Picture
○
秋の日はつるべ落とし。
けれども、つるべ落ちる寸前のオレンジの空は、感動するほどきれいではないかと、
スタンバイ中に呆然と思っていたかえるです。
1年かけて行ってきた。

パーク内のあちこちにあるニヤリとした顔。
猫も杓子もどころか、隙間という隙間、かぶせられそうなものは全て、
かぼちゃで飾りつけたり覆ったりするというやけっぱちなまでの根性でもって
デコレーションされているハロウィン期間中のディズニーランド。

人が多いところは、他人と歩くテンポが違うとお互い物凄く不都合だからと、
普段は全力でもって遠慮する遊園地なのですが、かぼちゃが居るのであれば話は別。

どんなかんなん辛苦、休日の早起き低血圧でさえも嫌な顔しての乗り越えて、
かぼちゃに逢いに行きたい。

というわけで、一泊2日カボチャの旅へと出かけてきました。
カボチャとクリスマスを足して骸骨で割ったようなデコレーションで原型を留めていない
ホーンテッドマンションにうっとりしては一人置いてけぼりを食い、
そこら辺に吊るされているカボチャの掛け金にうっとりしては、「いや、そこには萌えは無い」
と激しく突っ込みを入れられては、カボチャのパレードの席取りに励み、
おやつから飲み物に至るまで、カボチャ尽くしの嫌がらせにうっとりするという、
それはそれはカボチャ満喫ツアーの幸せに浸っておりました。

やはり、朝夕涼しくなり妙に寂しくなったり、季節性のうつ病が頭を出してきやすいこの季節、
この毒々しいまでのオレンジと黒の取り合わせと、ちらちらと何考えているのか分からない
灯りのゆれっぷりは素敵でたまりません。

誉めたたえてます。

頭の中は春以上に幸せいっぱい、一年分のカボチャ分を一日で補給出来るなんて
なんて素晴らしいカボチャの場所なんだろうと、ほくほくとしていたところ、
キャストのお姉さんの衣装が違っているのに気が付きました。

普段は、モスグリーン色のロング吸血メイド服が、
ハロウィンに限っては、ナイトメアとカボチャの陰謀によりちょっとだけ変化しているのです。

普段は同色のオーバーコートが、紫色のざきざきコートに。
首元には、ジャックと同じ白と黒のお葬式カラーのリボンがおまけにつきます。

ディズニーランド唯一、笑顔で応対してくれないキャストさんなので、
その「お葬式中、やけっぱちでお祭り騒ぎ」というかえるイメージのゲストへの対応っぷりに、
かえるメロメロ同行者苦笑い。

カボチャといい、ハロウィンといい、
本来なら、可愛くなかったり、おどろおどろしいものを、全力でおかしく楽しい方向へ捻じ曲げる
というものに、人の前向きで生きていく根性の楽しい部分を垣間見るようで、
こう、うっとりしてたまらないカボチャの日。

たった一日だけのおまつりのはずなのに、期間として立派にイベント化するのも素敵だとは思いますが、
なにより、夢と希望と後ろを振り向かせないその運営姿勢に
なにより頭が下がるカボチャの日でございました。

ああ、満足。
      
 
Prev Index Next

Top