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真夜中に聞く、発泡水のぱちぽちという音。
あれが聞こえるぐらいの静かな時間帯というのは、気持ちが良いぐらい静かで、
かつ寂しさが溢れてたまらない時が多いなぁと思うかえるです。
案の定、風邪引いてます。
てふてふと歩いていると、「どすり」と背中に張り付いてくるイキモノ。
大体は頭を中心に張り付き始め、するりするりと背中から下腹部に入り込み、
そのまま、お腹の中で己の冷たさを主張しはじめ、かえるの体温から体力から根性から
全部持っていく悪いイキモノ。
というわけで、我ながら毎度毎度どうしてここまで飽きずに風邪を引くのだろうか?
を本気で疑問に思いながら、ふーふー言っている秋口の風邪。
最近は、もう何しても風邪を引きっぱなしなので毎日仲良くお手々をつないで生活し、
週末になると一緒に寝込むという生活をしているのですが、
この週末寝込み、昼夜逆転どころか極夜のような生活をしていると、
風邪薬と加湿器の切れる明け方、4時、5時ぐらいにふと目を覚まし、
ぽけっと夜が明ける音を聞きながら再度眠りに付くという非文明人になってしまうのです。
加湿が切れ、放射冷却で冷え冷えになった外気が部屋に入ってくる。
寒さで目を覚ますものの、頑張って退治する体力も根性も無いので、
唯一温かい布団の中で、体温を逃がさないようにじっと朝を待つ。
どう考えても家の中で遭難している気がしないでもないそんな熱の朝、
何とかして水分補給はしないとなぁとぼんやりとしてた所、発泡水のぱちぱちという音が
妙に耳に響きました。
静かな朝。
牛乳屋さんも、新聞屋さんも、電車の行きかう音も、踏み切りの警報機すらも聞こえてこない朝。
普段こんな時間に起きられたなら、大喜びで日常作業に打ち込んだり針仕事に精を出すのですが、
今は、それどこではないどろりとした朝。
あんまり静か過ぎて、逆にしょんぼりしてしまうこんな「一時、朝」をどうにかできないか?と、
にょろにょろしていたのですが、ふと思いついたのが、グルードのクラシックでした。
グルードは小さな小さなキャンディーのように音が丸すぎて、聞いていると凄く眠くなるのですが、
ぽかんとしたい時や、不眠に陥った時には、これ以上良い音は見つからないほどの甘やかなのです。
難しい技巧や誰のどの曲といった技術的や知識的といった事よりも、
とにかく聞いていると気持ちがよくなるふんわりとした音。
どちらかと言えば、温かくて満ち足りた気持ちのときよりも、ほんの少しだけしょんぼりの時に聞くと、
彼の虜になりそうな音の数々。
寝入りばなと明け方の2回、タイマー機能をフル活用して聞いている可愛らしい音たち。
春になって起きる時間が既に明るくなるまでは、音に大活躍してもらうつもり満々の週末でした。
良い音は、やっぱりめろめろです。
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