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31日にはカボチャ祭りを繰り広げようとたくらんでいても、
なかなか上手くいかないのが世の現実。
カボチャを買ってきても、上手に煮られないのならいっそ飾ってしまおうと
延々と飾り続けているかえるです。
…そろそろ煮ないとまずいかも。
去年の夏休み終了日から、落ち着く間も与えずに鬼籍に入るかえる一族達。
その度に、お休みを貰っては車で目的地まで飛ばしたり、チケットを握り締めては機上の人になり、
新幹線の遅さにほぞをかみ続けたりしてきました。
全てが手遅れの後に到着したり、何とか間に合った後に大被害が発生したりと、
人の生死とは、結局は生きているものの所在如何でどうとでも変化するものなのだと、
妙に納得してしまっていた最近だったのですが、ここに来て生前の遺産分けを戴くことになりました。
片付けが出来ない祖父の家を片付けていた最中に出てきた、切手達。
20円切手やら60円切手やら、記念切手やらがシートが小山になっているので、
「すわお宝か?」と切手屋さんに持ち込んだのは良いものの、
昭和後半からの切手なのでさっぱりお宝ではなかった切手達。
とは言え、普通に使える切手なので「使う?」とかえるの家まではるばる来た切手達なのですが、
そこはかとなく使うのははばかられます。
祖父の意思無くしてきた切手、勝手に使ったら枕元で泣き言いわれそうです。
でも、手元には小山の切手と切手を貼らないと出せない手紙たち。
どうにかならないものか? と実家に連絡してみたところ、「大丈夫、口座から代金は引いておいたから」
なる、凄く素敵なお返事をいただきました。
間違いなく良い歳なのに、保険に入っていなかったらしい祖父。
日々の入院費を払おうと思ったところ、貯金通帳から保険の加入の紙から未発掘のため、
当座の入院費支払いのために、発掘できた切手を売りさばいていたみたいでした。
戦時中、うっかりシベリア送りになり体だけは物凄く健康になって帰国した祖父。
うっかり良さげに見えるだけの商売には全部手を出し、素敵に作られた偽物骨董は全部買い占め、
最近は怪しげな健康食品にも手を出しては「カモになるな!」と怒られていた我が祖父。
まさか、人生のオチをそこで作るとは意外すぎて突っ込む気すらありません。
流石お爺様。
伝説の小豆相場で全てを失った先の読めなさ具合と、それに対処してきた実家の対応は
相変わらず見事すぎました。
…おじいちゃん…。
おかげで、かえる一族は賭け事という賭け事はしない家系になりました。
もう、やめて。
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