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新幹線にのるたびに、満面の笑みで買いに行くお弁当。
目的の鮭が、普通に一般売りしていることに気が付いて、
大喜びで買いに行く算段を立てたかえるです。
ご飯万歳。
ぐったりしながら乗り込むと、お茶だって一本飲みきる前についてしまうのに、
一度味を占めてしまうと、もぐもぐと色々食べ散らかしながら景色を見続けてしまう。
新幹線や飛行機、そんな長距離移動中に食べられることを前提としたお弁当は、
味といい配色といい、絶妙なものをそろえていると思うカエルです。
こんばんは。
羽田から出発するのであれば、まい泉のとんかつサンド。
東京駅から出発するのであれば、早めに出かけて行っても東京弁当。
喰い意地が張っているのか、同じものを食べるのが大好きなだけなのかは謎ですが、
最近美味しくてたまらないのが、東京駅限定と銘打ってある、東京弁当なのです。
東京近郊の名物の玉子焼きや牛肉そぼろ、鮭の焼いたのなどを、詰めてくれている贅沢弁当。
どれもそれぞれ美味しいのですが、冷たくなってもなお、
ぱりぱりとした皮と適度の油が幸せにしてくれる、魚久のキングサーモンの粕漬けが
一度食べたら忘れられないほどの美味なのです。
一切れを更に半分にしてあるお弁当用の鮭。
皮まで美味しく、あと少しだけ食べたいという絶妙な大きさで終わる為、
いつもうっかりと買ってしまうお弁当。
売っていなかったら、しょんぼりしてしまうほどの美味しさだったのです。
けれども、お弁当が食べたいばかりに毎回東京駅までのこのこと出かけるわけにも行きません。
どうにか家で、あつあつのご飯にこのお魚が食べたいなぁと思っていたところ、
流石東京弁当、東京近郊に出店があり、さっそく大量買い込みに。
入手後は、わくわくしながら粕を落としてはグリルにて焼くことしばし。
炊きたて真っ白ご飯と、大量の大根おろしで戴く鮭は、
皮ぱりぱり、身は油たっぷりの大層美味なものでありました。
が。
が。
…が。
お弁当で食べていたものとまったく同じ魚でありながら、焼きたてよりも
冷たくなった方が、風味が美味しい気がしてたまりません。
いっそ冷やせばいいのか? としばし我慢してみましたが、ただ冷えただけの味。
どうやら上手に焼かないと、あの幸せ鮭にはたどり着けないみたいなのです。
フライパンで焦げ目をつけた後、電子レンジでぐるぐるまわしてみても、
魚ぐりるで焼け焦げる様を見物しても、
電気オーブンで低温じっくり灼熱地獄を演出しても、いまいち到達できない至福の味。
こうなったら、最後の手段「七輪と炭火による古典的嫌がらせ」を取るしかありません。
たかが焼き魚。
されど、単純でシンプルなものこそ奥が深すぎる焼き魚。
こうなったら、美味しい焼き魚の焼き方を求めて焼き続けるしかありません。
大根おろしは道づれです。
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