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「日付とは過去をさかのぼるものではありません(意訳)」といわれても、
一身上の都合により、どうにか埋めておかないと不安になる時があるんです。
第一、「かえる成長日記一日目」で書いたら、今日は何日目になるか考えたくありません。
時間の浪費にもほどがある。
焼酎なら、たっぷりの氷砂糖で美味しい色になるまで。
ブランデーなら、数年間存在を忘れるほどに静かに静かに抽出を。
ほのかに甘くて、良い香りでたまらない梅酒が好きでたまらず、
毎年毎年漬けるようになって、そろそろ5年ぐらいになってきました。
定番を一つ、変なものを一つ、と作っているうちに、
「梅酒用の日本酒」という不思議なものにたどり着いてしまいました。
そのまま飲んだら美味しいのか、さっぱりわからない専用日本酒。
不思議に思いつつも漬けてみたところ、3ヶ月で綺麗に色がついてくる上に、
日本酒の糖分と氷砂糖の甘さがゆるりと溶け合って、すごく美味しい飲み物に
変化しておりました。
毎日の夕飯前に、かいた氷でそろりといただきたい甘やかさかつ、さっぱりです。
梅酒が好きな者同士で集まって、そろりそろりと飲んでいても大好評。
すっかり味を占めたかえる、今年は張り切って二本とも日本酒で漬けたのです。
3ヶ月で色が出るということは、それ以上漬けると苦味が出てしまう梅酒。
それはそれは、気にかけて、一番暗くて涼しい、上等な場所で保存しておりました。
現実世界6月に漬けたのであれば、9月に梅を引き上げれば、
しばらくは、漬けた梅のジャムを楽しんだり、一升瓶に移した梅酒を楽しんだりと、
素敵冬前仕度が出来ると思ったのです。
が。
が。
がー。
現実世界8月は過酷でした。
余りの過酷につき、上司判断にて9月をまるまる休暇命令。
10月は出来るだけ無理をしないで、家で仕事をしても良いという、
天国なんだか、どれだけ死にそうなんだかという状況が続いていたのです。
人間の過酷なんてさっぱり気にせずに、発酵や抽出や日は進むものです。
気づい時には現実世界、11月下旬。
しかも、出先。
日本酒の梅は確実に色を出し切り、渋みもおりを出し、漢方薬へと
期待の一歩を進みだしているに違いありません。
それを思うと、居ても経ってもいられずに帰宅し、梅を放りたいのですが、
この数ヶ月放っていた以上、1日や2日ぐらいは誤差の範囲に違いありません。
楽しみに取っていたものを、横からさらわれる。
手間と時間をかけたものを、まさか、自分の不注意からさらわれるとは、
夢にも思ってない、この瞬間でした。
うわーん。
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