
12月2週
青年が好きです。
更に正確を期すのであれば、「青年期」が大好きです。
フロイトの精神・性的発達論で言うなら、生まれてきてから様々な状況が一次的鎮火の後全力で再発し、
エリクソンの発達段階説で言うのであれば、更にその状況下で今後の筋道まで決めなくてはならない状況。
大変乱暴な例えでたとえますと、
自分の家が火事になり、家から離れから土蔵から景気よく燃えさかっている中、
どうにか水をかぶって家に入り、必要なものを全て首尾よく運び出し、
言いたい放題言っている野次馬を何とかなだめたりすかしたりお詫びしに行ったついでに
消防車をどこからか手配してきては消火まではじめ、
ついでに計測も終了し、新しい家の基礎も始めてしまえと言われている脱出ゲームの様相です。
一度に何人の自分をこしらえて、上手く物事の優先順序と手配をし、
この状況を制圧すればいいのか。
ほぼ脱出者0%の脱出ゲームに見えるに関わらず、過去のデータを見る限り
人類は今までほぼ100%の割合でこのゲームを脱出しております。
つるりと脱出している人もいますし、いつまでも脱出しないとよそ見した瞬間に脱出している人もおり、
その違いの様相は、とても同じ人類のようには見えません。
そんな不可思議な脱出ゲームを人生に仕掛けられている人間と、その脱出ゲームそのものに、
かえるそれはもう魅力を感じてたまりませんでした。
どう考えても、かえる自身が脱出可能だと思えなかったからです。
暇さえあれば、過去の自分の出来事を思い出しては震えあがり、
同じような事柄に直面しては「きっとまた酷い目にあうに違いない!!」と布団にもぐり、
どうして同年齢が身につけているスキル等が無いのか?と絶望に浸っておりました。
脱出ゲームであるならば、震えている暇があれば周囲を確認し、ヒントを探り、
過去と照らし合わせて類似例を思い出しては適応可能かを探る方がどう考えても得策です。
頭でわかっていても、実際行動しようとすると、全力で過去が襲ってきては布団に追い詰める。
そんな状況が長い間あるかのような毎週末でした。
しかし、時は確実に過ぎ去ります。
どんなに無為に過ごしている時間であっても、なんだかんだと経験を積むものです。
経験当時は「いや、これは違うだろう…」というものであっても、
そのうち異なる経験と結びつき、ある日突然武器となります。
ついでに、武器所持であることにある日突然気がついたりします。
と言う事に、つい先日気付きました。
よくよく考えたら、震えるのが趣味のかえる自身であっても、
別の趣味は青年期のこの「疾風怒濤のこの瞬間」をいかように乗り越えるか?というのを考える事でした。
ホルモンバランス崩れてる論。
社会的な青年規範が崩れているからいつまでたっても脱出出来ない論。
いやいや「自由」を追い求め過ぎたら訳わからなくなったので、或る程度「枠」は必要だ論。
あーなんかもう、修業しとけばいいんじゃない論。
脱出ゲーム論、大変様々な論がありました。
しかし、論よりも脱出率です。
とにかくこの脱出ゲームから抜け出したいんです。
どうしてもダメならゲーム中に出てくるお化け!あいつを殴らせてください。あいつ憎い。
そんな中で「何かヒントないかなー」と始めた趣味でした。
色々読み込んだのですが、直接的ヒントははほとんど無く「やっぱり脱出出来ないかも」と
脱出は諦め、脱出ゲームそのものに興味関心を抱き始めておりました。
そんな時に見つけたマイ武器です。
これはもう全力で脱出ゲームに出てきたお化けを殴っていいという事に違いありません。
全力で復讐した挙句、中身と成分をチェックし、最後には燻製にする気満々で、
お化けへ振り返った瞬間、彼らはみごとにいらっしゃいませんでした。
かわりに、自分自身の脱出ゲームの脱出扉が開いておりました。
どうやら、ヒントやら現状の組み合わせで脱出可能だと思っていたこのゲーム、
武器取得とその自覚で脱出可能になったようです。
ということで、人様よりも確実に長かった「青年期」、
ひとまず落ち着いた気がいたしますので、記念と記録と後に来る人々の少しでもヒントにならんものか、と、
こうやってこそこそと書かせていただきました。
扉があいているうちに、とっとと脱出させていただこうと思います万歳。
こんな長文をわざわざ呼んでいた方には、更にもう一つだけお知らせがあります。
とても残念なお知らせですが、扉の続きにはもう一個扉があった事をお知らせいたします。
制作者でてこい。
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